この記事では、専門統計調査士・統計調査士の資格試験の合格プロセス、実際に使用したおすすめテキスト、出題内容の振り返りについてまとめました。
【追記】アクセスが多かったので、試験対策の詳細を記したブログも公開しました。受験を考えてる人はぜひご覧ください!
【専門統計調査士・統計調査士】実際の採点結果を公開。気をつけたい落とし穴と、絶対に行うべきTips。〜おまけ:直前に見るべき情報〜
そもそもどんな資格?
「統計検定」は比較的知名度が高いが、「専門統計調査士」・「統計調査士」検定も同じ協会が行っている資格だ。「統計調査士」の一段難しい試験として、「専門統計調査士」がある。
専門統計調査士検定は、調査の企画・管理、ならびにデータの高度利用の業務に携わる上で必要とされる、調査企画、調査票作成、標本設計、調査の指導、調査結果の集計・分析、データの利活用の手法等に関する基本的知識と能力を評価する検定試験です。
僕の個人的な感想としては、以下の2つが主な内容でデータ集計法や仮説検定については”ちょこっとだけ”という感覚に近い。
①国が行う公的な調査の結果についての理解
②調査設計の仕方
成績上位者はサイトで発表されるのだが、見てみると、数学科の学生や、実際に仕事で調査分析に関わる人が取っているように思う。
難易度は?
難易度は統計をかじったことがある人ならそんなに難しくなく、僕が受けた時は専門統計調査士でも合格率44%。受験者は300人ほどだったらしい。
少し面倒くさいのは、専門統計調査士の試験だけ合格しても資格認定をもらえないこと。どういうことかというと、専門統計調査士は統計調査士の上位資格にあたるので、統計調査士を受けた上で専門統計調査士試験で合格しないといけないのだ。
そしてここもポイントだが、試験自体は年に一度しかない。専門統計調査士だけしか受けない、もしくは運悪く統計調査士だけ落ちた時には来年まで待たないといけないのだ。
転職や名刺に書くとウケがよかった
認定や資格などは全然興味がなかった僕ですが、以下のような理由から資格取得を目指しました。
・名刺に書くと小ネタになると思った。(実際、大手コンサルの転職試験ではめっちゃ食いつきが良かった!)
・転職を控えていたので、効率的に統計を勉強していることをアピールしたかった。
・調査設計など、営業の実務の幅をひろげられるスキルを付けたかった
勉強方法(使用テキスト)と出題内容
過去の試験の構成
過去の試験の内容は以下のような構成だ。
1,統計の知識がなくても分かる、常識的な問題 : 3割
2,統計をかじっていないと分からない問題 : 3割
3,試験特性の知識がないと分からない問題 : 2割
4,時間をかければ読み取れるが慣れていないと時間がかかる、グラフや表の読み解き問題 : 1割
5,そもそも言葉の定義などから判断がつかない捨て問題 : 1割
(え、ひっかけ?解釈によっては・・・みたいな問題)
勉強方法とテキスト
統計の知識がある人なら公式の問題集をやっておけば問題ない。僕自身も過去問を半分ぐらいパラパラみて、いわゆる ”試験勉強” は終えた。ポイントはどこの何を見るか。
2,統計をちょっとかじってないと分からない問題については、同じ出処の統計検定の本がおすすめ。3,4級は正直勉強にならないので、2級が一番合っている。逆に準1級・1級は理論面に言及することが多く、専門統計調査士の問題とは合わない。すべてのテキストを見ているので、ここはけっこう自身がある。
3,試験特性の知識がないと分からない問題に関しては、まず統計局のサイトをざっと見て、覚えられればラッキーぐらいでいいと思う。
総務省統計局
あとは、少し内容が高度になるが、統計の基本的な教科書の中でもこれが出題範囲に近く、けっこう点数に直結するのでは?と思った。(僕自身は試験が終わった後に出会ったので、とても悔しかった、、!)
まとめ
上記をまとめると、
・統計検定のテキストでざっと統計周りの公式などを勉強しつつ
・統計局のサイトで実際の基幹統計について目を通しておき
・暇な時に過去問を見てみる
という流れで十分受かると思います。その上で時間がある人やこれからもっと高度なことを勉強したい人は、上記の人文・社会科学の統計学 (基礎統計学) か社会調査系の本を読むと良いかと思います。勉強期間としては、僕は2ヶ月ほど、空いた時間を使ってパラ見しながら、前日、仕事でキャンプをしながら詰め込みました(笑)。
実用性
いわずもがな、この資格を取ったことで、それ専門の仕事に就けるかというと、そういうレベル感の資格ではない。
個人的に取ってよかったと思ったことを書いてみると、このような感じ。
・そもそもニッチ資格なので、「WEB解析士」のような使い古された感がなく、転職の面接時に意外にネタになる。”専門”と”統計”ってのが受けがいい印象。
・国の統計調査に詳しくなれる。個人的には広告の仕事をしていたので、営業資料に公的調査のグラフを入れたり、提案書のファクト要素としては国のちゃんとした調査を使うようになった。(民間の調査の胡散臭さが分かるようになった)
・データの中でも、”アンケートデータ”について有用性を考えるようになった。(心理的な側面を捉えるためにはアンケートデータはまだまだ有用なので、どんどん使いたい思った。蛇足だけど、アンケートデータ中心の心理学分野では、アンケートデータのバイアスを除いたり、色々と固有のテクニックがあるように思う。)
【結論】転職には活きるのか
僕は、営業ほどこの検定はおすすめしたい。調査会社以外だと、現場では簡単なアンケートなら営業がやることが多いし、調査会社と関わる時にも「けっこう適当だなー」とか判断がつくから。特にマーケに関わる人は、ユーザーのアンケートデータを意思決定の材料にすることが多いと思うけど、そこらへんの信頼度はちゃんと分かっておいた方がいいと思う。
ただ、統計やってる人が持ってても普通?なのかな?とりあえず持ってなさそうな人がとっておくと、何かとネタになると思う。
その上で、たかだか認定試験なので、落ちようが受かろうが、どっちでもいいと思う。
ちなみに受験料は1万円ちょいなので、費用対も悪くない。
もし受ける人がいれば頑張ってください!
更に具体的な対策内容
こちらも書いてみましたので、よければ見てみて下さい。
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