ジョブ理論 読み返しメモ

自分用に要約とメモ

要約とメモ

まず冒頭で「マネー・ボール」が示したようなこれまで見えなかった宝の示唆をデータから見つけようとする取り組みは、各企業が失敗していることに言及しその原因として「シグナル&ノイズ」に示されている様に、着目点が人口統計学的なデータと商品データであってそれぞれの関係が相関なのか因果なのかに着目できていないという。この”なぜ商品を買うか”という因果関係の理由をうまく見つける方法(考え方・質問方法)として以下を紹介する。これがこの本で核となる考え方だ。

「どんな”ジョブ(用事・仕事)”を片付けたくて、あなたはそのプロダクトを”雇用”するのか」

またこの考え方に付随し「破壊的イノベーション理論」(既存商品より性能は劣っているものの価格や取扱やすさで既存商品を駆逐すること)を提示。そもそもどうやってイノベーションを起こすのかを考える思考法として上記の考え方を重ねて紹介している。

この考え方の具体例としてミルクシェーキの購買についての考察を提示している。まず人口統計学的な属性データではくくれないが、顧客を観察するといくつかのターゲットに分かれ、車での長距離通勤のターゲットが朝食代わりに購入する事と父親が子供に購入する購買活動で目的がまるっきり違い、それぞれに対して製品改善や販促戦略が異なることを示している。

第二章では具体的に上記の考え方の定義や使い方にふれる。冒頭で病気や車の製造んお歴史を引き合いに出し因果関係が解明されればそれを「理論」(メカニズム)として汎用できると説く。その延長で【ジョブ理論】について紹介する。

ジョブ : ある特定の状況で人が飛べようとする進歩。苦労や課題を解決するという形式を取る場合が多い。またジョブは複雑であり機能面だけでなく社会面、感情面からも理解しなければならないと説く。

状況 : ジョブは様々な状況に影響を受ける為、この状況がジョブを定義する上で中心的存在になると説く。単に顧客のデモグラ的属性値などではなく生活活動上の様々な角度・粒度で状況を定義しなければならない。

ここで「ニーズ」と「ジョブ」の違いについて触れる。「ニーズ」はより高次で万人が持つような「〇〇したい」であるが「ジョブ」はより細かい粒度で様々な状況と要望を内包したストーリーであると説明する。そしてバイナリーデータ(カテゴリで分けれる男女など)などの数値化する上でそのストーリー(意味)が破壊されてしまう為にジョブを現実世界で見極めるのは非常に難しいことだとも説く。

供給サイドのプロダクト視点で見ると商品カテゴリなどの小さい範囲を競合と捉えてしまうが、需要サイドからジョブに応えることという意味で競合を探すと非常に広い範囲で競合が定義される。例えばフェイスブックが解決するジョブを”仕事中の休憩と頭の切り替え”とするとタバコもそのジョブに応えられる競合になる。このような考え方でエアビーやネットフリックスなどいくつかの実サービスについての考察に触れている。

そこからいくつかの事例を引き合いに出し、商品の機能価値ではなくインサイトに寄り添った”ジョブ”に目を向けることを繰り返し提案する。

第5章ではジョブの雇用だけでなく”解雇”にも目を向けるというメッセージの元、「ビッグ・ハイヤ」と「リトル・ハイヤ」という用語を使い、商品購入時と、商品の利用時をそれぞれ”雇用機会”として着目しようという。前者は着目されやすいが、繰り返し”雇用される”後者に多くの企業が目を向けてないという。

そして意思決定の際に「新しい解決策に乗り換えようとする力」と「変化に反対する力」があるという。心理学的には変化させたくない慣性力が2倍かかるといい、新しいジョブの魅力が大きくないといけないと強調する。

ペースメーカーのインド進出の話を例にとり、ジョブの購入に至るまでの障壁(考え方)にも触れている。そもそもジョブを雇用しようと思うまでに期間、回数、それらの複雑性、意思決定の多さ、それらの間に入る人間から受ける精神的ダメージが絡まっていることを示す。

ウーバーやイケア「今日家具を揃え終えたい」を例にとり、パーパスブランドは片付けたいジョブに対する具体的な体験を想起させる

また企業内のKPIや仕事内容も、あくまで顧客のジョブに基づいて設計されるべきで、顧客化率や継続率”を”伸ばすという目的で設定してしまっては本末転倒になる。個人が何ができるかではなく、顧客のジョブに対してどんなプロセスを設計しないと行けないかに意識を向ける

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