2つのCVR算出方法と注意点。移動平均と標準誤差でのナラシ方。

前提

CVRはセールスなら毎日使用する指標だが、今使っているそのCVRの算出方法は本当に自社のセールススタイルとマッチしているだろうか。ここでは一般的な<CVR=受注数/商談数>とした時に、算出方法別にメリット・デメリットを考える。

 

2つの算出方法

リードタイムから逆算

おそらく最も使われてる方法。受注した案件、もしくは失注も含む案件の開始と終了からリードタイムを算出し、平均値や中央値を使ってリードタイムを算出する。その上でリードタイム分逆算した、過去の商談数と当月の受注数とでCVRを計算する方法。

メリット

とにかく分かりやすい。

デメリット

この算出方法だと「今月の目標5件、来月はその倍!」といったような急成長する目標値では対応が難しいこと。例えば以下のように1週間毎で切った案件リードタイムのヒストグラムを考える。(以下は1週間以内に受注した案件が3件、1週間〜2週間が6件、という読み方)

僕が関わった企業は大体こんな感じで、2つか3つの案件周期パターンがあることが多い。短期ですぐに決まる案件もあれば、攻め方を変えて中長期で受注するタイプもあるということ。
この案件データから平均値(もしくは中央値)を出したらおそらく45日程度になる。「商談から受注までは大体45日で考えよう」ということで、このリードタイムを使って「45日前の一ヶ月と、今月の一ヶ月の商談数と受注数を使ってCVRを出す」と計算方法になる。

ここで考えるべきはこの場合45日以上の案件が換算されず、その分前月以前で計測しきれなかった案件が当月に加わるということ。つまり目標値や実績値がほぼ同じであれば問題ないのだが、季節ごとに大きく変化をつけたり急成長目標で前月の案件数と今月の案件数が大きく異なる場合は目減りしてしまうのだ。

また受注の期待と則さないことも挙げておきたい。例えば「リードタイムが45日なんでそろそろこの案件決まるはず」という会話はセールスならあるあるだが、多くが2つ3つの周期性があることを考えると、平均値周辺の案件が少ないということも多い。つまり期待していたよりもリードタイムが長期化してしまい、ヨミが甘くなりがちということだ。

下のヒストグラムで見ても、45日周辺の案件はないわけだから、「そろそろ45日だから決まるはず」というのは的外れになってしまう。

後追い方式

この方式でCVRを記録しているところは少ないと思うが、本来の意味ではこちらの方が正確。
イメージとしてはこんな感じ(データは全てダミー)。単純に1年前の1月に行ったアポが何件決まったかという実態ベースで計算する方法だ。

メリット

数値が実態を表しているので正確。またリードタイムの変化や、季節性、外部要因の仮設が立てやすい。

デメリット

直近のCVRは必ず目減りするので、CVRが上がった下がったという話をする場合には直近の事が判断しにくい。

 

ナラシ方・解釈の幅を広げる

↑では何を起点に考えるかという話だったが、平滑化(ナラシ方)の方法と目的も紹介する。

移動平均を使い季節変動や外部要因をならす

単月で見るにはあまりにも変化が大きい場合に3ヶ月の変化量を見た方が実態に即している場合が多い。また季節性や、たまたまイベントで大きな受注が合った場合もならすことで次の予測の精度が高まる。この場合は分かりやすく移動平均を使う。

https://bellcurve.jp/statistics/blog/15528.html

要因と本来の変化量についての考え方はこの本が分かりやすい

”グウゼン”の幅を考える

標準偏差や標準誤差というワードを聞いたことがある人も多いと思うが数件〜数十件の受注数であればグウゼンがつきまとうと考えた方が良い。どういうことかというと、例えば10件商談し本来は3件受注しCVR30%だったが、たまたま商談相手が友達で1件追加受注できたことを考えると、この+10%は再現性がなく”グウゼン”と考える方が無難だ。

そこで下図のようなヒゲを考える。グウゼンが起こらなければこのヒゲの幅で上下したかもしれないという考え方だ。ここでは標準誤差を考えている。

HUNTERXHUNTERを読んでいた人ならこういうこと

グウゼンや標準誤差の考え方はこの本が分かりやすく解説してくれているのでオススメです

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外れ値処理、平均ではなく中央値を使う

言わずもがな、外れ値を取る、中央値を使うといった対応をしないと長期案件に引っ張られてしまう。特にデータ数が少ないスタートアップなどは対応が必要だが以外に忘れがち。案件毎に一つずつ再現性をチェックして外れ値削除のルールを決めましょう。

 

まとめ

色々書きましたが、一番オススメは全て試して一番実態に即したものを使うこと。僕の場合はリードタイムから逆算した数字を移動平均と標準誤差グラフで出してざっと全体間を確認。

後追い方式も記録していき、「この時何があったっけ?」「うちの案件は季節性があるんだろうか?」と考えることにしている。

CVRは重要な指標の割に決まりきった計算方法しかされない為に、現場のセールスメンバーが疲弊したりモチベーションが低下したりといった事が結構あると思っています。

セールスに関わる全員で色んな角度から見ていくことで新しい発見やモチベーション維持にも繋がりますので、「ざっくりだったな〜」って人は是非試されてみて下さい

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